製材ビジネスを巡る状況は、日々、目を離す暇がないほど目まぐるしく変化しています。退屈とは無縁の世の中です。20年以上にわたってこの業界に従事してきた私にとっても、2020年の始まりがこれまでで最も困難であると同時に、キャリアを通して最もやりがいある課題に直面する機会となったことは間違いありません。年初は需要と物価動向への期待が大きく高まり、需要に関しては実際、期待どおり順調な伸びを見せていました。しかし、林業労働者によるストライキの影響がフィンランドの製材業に及んだ結果、顧客の需要に応じた生産量と供給量を十分に確保することはできませんでした。ストライキの終了と同時に、当社製材工場のフル稼働を再開することで、最終的には、予想以上に早くこの状況を抜け出すことができました。しかし、当然ながら、多くの取引機会を失い、第2四半期に入ってからも、第1四半期中の受注品の一部供給を行っています。とはいえ、当社がこうした課題を克服していけるのも、お客様との確固たる協力関係があってのことです。
その後、当社はさらに大きな課題に直面しました。新型コロナウイルス(COVID-19)とそれが引き起こした恐怖の、世界的な蔓延への対処です。このウイルスが人々の日常生活、世界経済、そして製材貿易に大きな影響を及ぼしていることは皆様もご承知のことでしょう。ただし、その影響が私たちの暮らしと世界経済にどの程度まで及んでいるかについては、現時点ではまだ詳しいことはわかっていません。確かに言えるのは、これを契機に仕事のやり方も含めた、さまざまな物事に変化が生じたことです。社内外の交渉など、情報の伝達やさまざまな業務活動に際して、当社ではMicrosoft Teamsを使用していますが、期待以上の成果を収めています。それでも私は、お客様との対面での会議の機会が今後もまだまだ必要であると考えています。そうすることで、これまで以上にお客様と緊密に連携し、今後の動向を見据えた指針を共同で確立していけるからです。
ストライキとCOVID-19のパンデミックが多くの企業に悪影響を及ぼすなか、UPM Timberが最小限のダメージで持ちこたえていることを皆様にお伝えできて嬉しい限りです。とりわけCOVID-19の危機が続くなかでも、当社はさまざまな市場に向けて十分な製品を供給しています。当社がこうした困難な状況を切り抜けていけるのも、サプライヤーおよびパートナーとして長年にわたって、お客様との信頼を築いてこれたからこそです。このことは、UPM Timberの商業的戦略が成功し、お客様から高い評価を得ている証でもあります。商業的戦略の刷新時を振り返ってみると、できる限り柔軟に戦略を展開し、最も困難な状況下でも、これを克服できるようにすることが当社の最重要目標の1つでした。2020年前半は、実際に当社の戦略の真価が問われました。僭越ながら、「戦略が機能している」ことを皆様にご報告できることを誇りに思います。
素敵な夏をお迎えください。皆様とご家族のご健康をお祈り申し上げます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
Mikko Hyvärinen
UPM Timber セールスサプライチェーンディレクター