カーボンフットプリントの算定により、UPM Timberの製材品が環境にもたらすメリットが明らかに

UPM Timberのカーボンフットプリント声明と環境宣言は、UPM Timberの製材品および製材工場が環境に与える影響をお客様により深く理解していただくために発表しています。

建設業や製造業では木材の使用が増えつつありますが、これには正当な理由があります。木材は、再生可能かつ再利用可能で安全な天然資源であり、スチールやプラスチックなどの人工材料の代替品になります。メリットはそれだけではありません。気候変動の問題にも良い影響をもたらすため、木材に対する関心は高まっています。

木材は、生育過程で二酸化炭素を吸収するため、ほかの材料とは良い意味で異なります。伐採後も大気中に炭素が排出されることはなく、最長で数百年、木材製品の中に炭素が貯蔵されます。そのため、化石燃料由来の材料を木材に置き換えると、建設や家具製造などで発生する二酸化炭素排出量を効果的に削減できます。

持続可能なソリューションの追求には、信頼できる情報を基に、今あるさまざまな選択肢の影響を確認することが必要です。このニーズを満たすため、UPM Timberは、当社の製材品に関するカーボンフットプリント声明と、製材工場に関する環境宣言を発表しています。

「私たちは、UPM製品が環境に与える影響について、有益な情報をお客様に提供したいと考えています。カーボンフットプリント声明では、製材品のライフサイクル全体での二酸化炭素貯蔵量や、木材生産における二酸化炭素排出量を公開しています。例えば、算出したこれらのデータを基に、建物などのカーボンフットプリントを測定することができます」とUPM Timberの品質および環境担当マネージャーであるEeva Laaksonenは説明します。

「当社の製材工場に関する環境宣言では、UPMが透明性をもって責任ある運用を行っていることを証明しています。この環境宣言の情報はお客様が持続可能な選択を行うのに役立ちます。」

カーボンポジティブな製材品

「カーボンフットプリント」とは、製品または活動のライフサイクル全体で発生する温室効果ガスの総排出量です。木材製品の影響を評価する場合、生産による炭素排出量と製品に貯蔵される炭素量の両方を考慮する必要があります。

UPM Timberの製材品のカーボンフットプリントは、欧州製紙産業連盟(CEPI)が開発したモデルをベースに、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提供する計算式を用いて算出されています。計算は、レッドウッドとホワイトウッドの両方の木材を対象に、フィンランド国内の4つの各製材工場に対して行われていますが、最も重要な温室効果ガスの影響を測定するため、二酸化炭素排出量に焦点を絞っています。

「カーボンフットプリントの計算では、伐採から最終製品まで、生産に関連するあらゆる活動を考慮に入れています。製材品は化学薬品を加えていない天然製品であるため、生産に伴う二酸化炭素排出は、主に伐採と輸送、製材時のエネルギー消費から生じます」とLaaksonenは説明します。

UPM Timberが原材料として使用する樹木は、60~80年の生育期間を経て伐採されます。樹木は生育過程で、大気中の二酸化炭素を吸収し続けます。

「樹種による違いはごくわずかです。レッドウッドとホワイトウッドの製材品がライフサイクル全体で貯蔵する二酸化炭素量は、製材過程で排出される二酸化炭素量を大きく上回ります」とLaaksonenは話します。
 

sustainably-produced-right-from-the-start.jpg

生産の初期段階から持続可能性を考慮

木質由来の製品や材料では、責任ある形で持続的に管理された森林から原材料を入手することが重要です。UPM Timberでは、PEFC(PEFC/02-34-05)認証またはFSC®(C086359)認証を取得したフィンランドの森林から木材を調達し、その木材で作った製材品をお客様に供給しています。さらに、UPM Timberの生産工程は、埋め立て処分される廃棄物をゼロにする形で最適化されています。ウッドチップやおがくずはパルプの原材料として使用し、その他の副産物は焼却してエネルギーに変えています。

新たに発表された製材工場に関する環境宣言は、企業の責任と透明性に対するUPM Timberの取り組みを実証するものです。

「お客様は、各製材工場の木材調達地域や製材品生産に伴う水やエネルギーの使用量などの詳細をまとめた環境宣言で、当社の取り組みを確認できます。環境宣言には、品質や環境に関する認証の取得状況も記載されています。環境宣言のデータは、UPMがグループ全体として環境保護機関に報告した情報と同じものです」とLaaksonenは話します。

Laaksonenによると、UPMの製材品のカーボンフットプリントと製材工場が環境に与える影響が最初に算出されたのは10年以上前のことでした。「現在は世界中でこの情報が必要とされているため、当社では毎年この計算と宣言を更新していきます」

UPM Timberの製材品に関するカーボンフットプリント声明および製材工場に関する環境宣言は、 https://www.upmtimber.com/jp/sustainability/certificates/でご覧いただけます。

文:Janne Suokas